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【Dookey Dash】なぜNFTプロジェクトがゲームを取り入れるのか

昨今、NFTプロジェクトがゲームを始める流れが起きています。

CryptoPunksやCryptoKittiesといった初期のNFTは新規性やP.F.P(Profile Photo)としてのユーティリティに価値がついていましたが、その後数多のNFTプロジェクトが乱立し、NFTにも魅力的なユーティリティを求められるようになりました。

本記事の調査対象であるDookey Dashは、業界を代表するNFTプロジェクト「Board Ape Yacht Club(以下BAYC)」が展開する期間限定のミニゲームであり、ユーザーは2023年の1月18日〜2月8日の間に達成した最高スコアを競います。

BAYCがNFT業界を代表するNFTプロジェクトであるため、Dookey Dashはリリース前から注目を集めており、参加券となるㅤ「Sewer Pass(下水道パス)」の価格は上がり続けています。

一方で、同様に知名度の高い “ポルシェ” のNFTは、初回販売の80%が売れ残り、twitter上で多くのヘイトが起こりました。

成功しているNFTプロジェクトと失敗しているNFTプロジェクトの違いは何なのか。

また、NFTプロジェクトがゲームを取り入れる意味は何なのか。

本記事ではその点を中心に考察していきます。

開発者視点でのPOINT

・ユーザーはNFTの先にあるコミュニティとユーティリティを見ている

・IPを育てるうえで、IPの商用利用を許可する戦法は非常に有効

・近年拡大しているNFTプロジェクトは拡張性を視野に入れており、ゲームはその一環として有効

・Dookey DashはNFTプロジェクトがゲームを取り入れることで、経済圏が拡大した好例

・ただし、コミュニティの信頼や期待値が高い状態であることが前提となるため、コミュニティ運営を優先して考えるべき

Yuga Labsについて

Dookey Dashについてご理解いただくために、まずはBAYCの運営元であるYuga Labs社について解説します。

会社概要・運営メンバー

Yuga Labsは2021年2月にマイアミで設立されたNFT制作スタジオです。

Gargamel、Gordon Goner、Emperor Tomato、No Sassの4名から始まったYuga Labsは、2023年1月現在は40名規模に拡大しています。
※4名の創設者の名前は全て偽名です

また、2023年の前半には、新CEOとしてDaniel Alegre氏が就任する予定になっています。

Alegre氏は大手ゲーム会社であるActivision BlizzardでCOOを勤めていた方です。


ビジョン・ミッション

Yuga Labsは「Web 3.0のライフスタイル企業になる」ことをミッションに掲げています。

もともと、2017年にNFTを知り、その技術に可能性を感じたことが会社設立のきっかけとなっているため、Web3を通じてクリエイティブな取り組みをしていくことを、至る所で発信しています。

また、創業メンバーが文学に造詣が深いこともあり、故郷であるマイアミの芸術・教育活動に$100万を支援するなど、文化を発展させようとする意思がみられます。

前CEOのインタビューでも、たびたび「culture」という単語が出てきます。



Yuga Labsが手がけるNFTプロジェクトは、アート的な側面は持ちつつも、NFTはあくまでコミュニティに参加するためのパスという位置付けになっており、メインはコミュニティを通じた活動や、その先にある文化形成となっています。

手掛けているプロジェクト

Yuga Labsはもともと、NFT事業を前提に始まった会社であり、その第一弾プロジェクトとして立ち上がったのがBAYCです。

BAYCはリリースしてすぐに大成功を納め(詳細は後述)、その後BAYCから派生したプロジェクトが複数立ち上がりました。

2023年1月現在、そのどれもが業界の注目を浴びるレベルに成長しており、OpenSeaの取引高ランキングでは常に上位に君臨しています。

YugaLabsが手がけているプロジェクト

NFTプロジェクト
・Bored Ape Yacht Club(BAYC)
・Mutant Ape Yacht Club(MAYC)
・Bored Ape Kennel Club(BAKC)
・10KTF

メタバースプロジェクト
・Otherdeed for Otherside

運営はしていないが知的財産権を有しているプロジェクト
・CryptoPunks
・Meebits

運営はしていないが関わりがあるプロジェクト
・ApeCoin

Bored Ape Yacht Club(BAYC)

OpenSeaより

BAYCは、Yuga Labsが最初に手がけたプロジェクトであり、後に続くMAYCやBAKCは、BAYCのストーリー上で展開されたジェネラティブNFTです。

BAYCについては後半で詳しく記載しますが、Bored Ape Yacht Club(退屈な猿のヨットクラブ)という名前の通り、猿がモチーフのNFTプロジェクトです。

OpenSeaより

「暗号資産の黎明期にNFTに投資をした人たちは、2031年に億万長者になり、ただただ退屈な日々を過ごしている」

というSFじみたストーリーが背景となっており、プロジェクト名に入っている “Bored” や “Ape” は、このストーリーが由来となっています。

※NFTを大量に売買して儲けることを業界用語で「猿真似」と言います。

Mutant Ape Yacht Club(MAYC)

OpenSeaより

MAYCは、その名の通りBAYCの変異種として生まれましたジェネラティブNFTです。

BYCAホルダー全員に血清が配布され、手持ちのBYCAに血清を投与することでMAYCがミントされました。(投与後、血清はburnされ、元となったBAYCはそのまま残りました)

OpenSeaより

Bored Ape Kennel Club(BAKC)

OpenSeaより

BAKCは、BAYCのペットという位置付けで登場したジェネラティブNFTで、BAYCホルダーに無料で配布されました。

OpenSeaより

Otherdeed for Otherside

OpenSeaより

Otherdeed for OthersideはYuga Labs・Improbable・AnimocaBransが共同で手掛けているメタバースプロジェクトです。

ヨットクラブで釣りをしていた猿が「DRINK ME」と書かれたドリンクを釣り上げ、それを飲んだら周囲に様々な土地が現れて、それらを探索することになったというストーリーです。



土地にはSediment(堆積物)やTier(階層)、Resource(リソース)やArtifact(アーティファクト)、Koda(コーダ)という構成要素があり、各要素に種類とレアリティがあります。

OpenSeaより

10KTF

OpenSeaより

10KTFは、サポートしている17プロジェクトのPFPに対して、唯一無二のアクセサリーを作ることができ、さらにアクセサリーを装備したNFTをパスとしてBattle Townというゲームで遊べるプロジェクトです。

OpenSeaより

当然、BAYCもサポート対象となっており、GUCCIとコラボしたアイテムを作れたことでも非常に話題になりました。

10KTFはもともとBeeple社が運営していましたが、2022年11月14日にYuga Labsが買収し、以降はYuga Labsが運営しています。


Yuga Labs発祥のプロジェクトではないため、BAYC等とのストーリー上の繋がりは弱いのですが、独自の世界観は非常に作り込まれており、高い評価を受けています。


ApeCoin($APE)

YugaLabsとは別の会社が運営しているが、BAYCの経済活動に深く関わっている。

  • 価格:¥781.95
  • 発行上限:1,000,000,000
  • 時価総額:¥288,255,594,113
  • ホルダー数 :110,728
  • 上場取引所

    • CEX:Binance, BYBIT, Gate.io, KUCOIN

  • 種類:ユーティリティ
  • 獲得方法:取引所で購入
  • 使用ポイント:

    • ゲーム内アイテムの購入
    • OthesideのLAND購入

※価格、時価総額、ホルダー数はいずれも2023年2月24日時点の数値

VC・投資家

Yuga Labsは2022年3月22日にシードラウンドで$4.5億を調達しています。

これは、2022年のWeb3ゲーム業界における資金調達で、第2位の調達額でした。

Yuga Labsに投資したVC・投資家

・Andreessen Horowitz
・Animoca Brands
・LionTree
・Sound Ventures

・Thrive Capital
・FTX
・MoonPay

運営の収益構造

運営の収益構造は基本的にNFTの1次販売の売上と2次流通のロイヤリティです。

ただし、プロジェクトの中にはロイヤリティが0%であったり、動物愛護団体に全額寄付しているものもあります。

プロジェクト ロイヤリティ
BAYC 2.5% (※)
MAYC 2.5%
MAKC 2.5%
10KTF 5%
Otherdeed for Otherside 5%
CryptoPunks 0%
Meebits 5%
※動物愛護団体に全額寄付

Yuga Labsの概要を理解いただいたところで、ここからはDookey Dashと関わりが深いBAYCについて詳しく見ていきます。

BAYCについて

Yuga Labsは様々なプロジェクトに携わっていますが、全ての根幹となっているのがBAYCです。

プロジェクト概要

BAYCは2021年4月28日にリリースされた、類人猿をモチーフにしたNFTコレクションです。

帽子、目、表情、服装、背景など170種類以上のパーツがランダムに組み合わさって生成されたジェネラティブNFTで、ユニークな1万対のNFTが発行されています。

OpenSeaより

NFTに馴染みがあってもなくても誰もが一度は目にしたことがあるであろうこのNFTは、ジャスティン・ビーバー氏、パリス・ヒルトン氏、AVEXの松浦会長など国内外の多くの有名人も保有しており、2023年1月現在、フロア価格が73 ETH(1500万円)と業界最高レベルの高値がついています。

プロジェクトのコンテクスト

コンテクストとなるストーリーはBAYCの大きな特徴の一つです。

創業者のGargamel氏とGordon Goner氏はどちらも自身のことを「文学オタク」と自称するほど文学好きで、BAYCの世界観も非常にこだわって作り込んでおり、これが一部の層に受けました。

BAYCの登場以前に大ヒットしたCryptoPunksなどは、プロジェクトの新規性に価値がついており、BAYCのようなストーリーの作り込みは、NFTプロジェクトとして珍しいもでした。

CryptoPunks(OpenSeaより)

Gargamel氏とGordon Goner氏がよく通ったマイアミの音楽会場、チャーチルズ・パブを思い起こさせるようなエバーグレースのヨットクラブを舞台に、陽気な猿たちによって作られる世界を舞台にプロジェクトが構成されており、個々のNFTの集合体ではなく、BAYCという大きな舞台を中心としたストーリが形成されています。

このことについてGargamel氏は「ヘミングウェイの氷山理論を参考にしている」とコメントしています。

NFTのビジュアルなど、ユーザーに見える部分は全体の10%であり、それらはストーリや世界観といった残り90%の部分に支えられているという意味です。

この重厚感のあるプロジェクトの作りが、ユーザーから支持を得ている一つのポイントとなっています。

コンセプト

コミュニティ主体

BAYCは、プロジェクトの主体をコミュニティと捉えており、NFTを「コミュニティへ参加するためのパス」と位置付けています。

プロジェクト成功の鍵はコミュニティの成功にあると考えており、NFTホルダーのみが参加できるクローズドなイベントやシステムをオンライン・オフライン問わず展開しています。

最初に展開されたコミュニティのみが参加できるシステムは、「バスルームの落書き」でした。

参照:LET’S MAKE A NFT

これは、NFTホルダー専用サイトに展開されており、NFTホルダーのみが左のキャンバス(バスルームの壁)に自由に絵を描くことができました。

こうした取り組みはメタバースに近いものがありますが、プロジェクトを開始した当初から、コミュニティをいかに盛り上げるかということを中心に考えています。

② 時間と共に拡大していく

BAYCは、ストーリーの進捗とともにプロジェクトが拡大していくことも、大きな特徴です。

Gargamel氏とGordon Goner氏は、CryptoPunksやHashMask等の成功モデルを参考にしつつも、ストーリーが進むごとに新たな展開をNFTホルダーに提供する新たなプロジェクトとしてBAYCを構想しました。

例えば、MAYCやBAKCは、BAYCのストーリー上に新たに展開されたNFTであり、BAYCホルダーには無料でこれらのNFTが配布されています。

また、Otherdeed for Othersideや、今回紹介するDookey Dashも、BAYCのストーリーの一部として展開されています。

BAYCホルダーはNFTを保有し続けている限り、不定期に公開される新しいストーリーやゲームを体験することができ、そこにプロジェクトとしての魅力があります。

なぜBAYCは流行ったのか

今となっては多くの著名人が購入し、高級車や時計のようなステータスシンボルとなったBAYCですが、最初から価値がついていたわけではありません。

実際のところ、2021年4月23日に開始したプレセールス時はあまり注目されておらず、初日で売り切れることはありませんでした。

BAYCとしては、リリース時に様々なコミュニティに働きかけを行ってはいたのですが、最も強力な起爆剤となったのは、強力なインフルエンサーに取り上げられたことでした。

強力なインフルエンサーに注目された

BAYCの初期は、j1mmy.eth氏とPranksy氏を始めとしたインフルエンサーの働きにより、知名度が大きくなりました。

以下に、j1mmy.eth氏とPranksy氏の詳細と、BAYCにおける働きかけについて紹介します。

j1mmy.eth

j1mmy.eth氏はWeb3企業のnft42とその子会社であるnamelessのCEOであると同時に、個人でも様々なNFTを所有しているブルーチップホルダーです。

NFTGOより

J1mmy.eth氏は、BAYCローンチ時に多くのセレブにBAYCのNFTをGiveawayし、NFTホルダーの質を高めました。

そしてそのGiveaway対象者の中に、以下に紹介するPranksy氏のような有名NFTコレクターがいたことが、BAYCの知名度を一気に引き上げることにつながりました。

Pranksy

Pranksy氏の公式ページ

Pranksy氏はロンドンを拠点とする著名なNFTコレクター兼クリエイターです。

2017年に$800分のCryptoKittiesを購入したことをきっかけにNFT投資を開始し、現在は巨万の富を築いた業界の有名人です。

NFTGOより

「$800から始めた」という点が多くの人の希望となっており、Pranksy氏と同じようになりたいと思う人が続出。

その結果、Pranksy氏がNFTを購入すると、その情報を得た他の投資家が同じプロジェクトのNFTを購入するという現象が起きるようになりました。



そのようなPranksy氏が、5月1日に250体のBAYCを入手したしたとツイートしたことをきっかけに、BAYCの注目度が一気に上昇。

売れ残っていたNFTは、その日のうちに完売しました。


現在、Pronksy氏が保有していた250体の多くは売却されており、様々な人の手に渡っています。

このような強力なインフルエンサーの影響でBAYCは一気に注目を集めました。

マーケティング・イベント

BAYCは、目立ったマーケティング施策じゃ打ってはおらず、コミュニティの満足度を上げるためのイベントや活動に力を入れています。

以下に、プロジェクトが始まってから実施されたことをまとめております。

日付 イベント
2021年
4/21 Discord開始
4/22 ホームページ開設
4/23 プレセール開始(5/1までの期間限定、0.08ETHで販売)
4/26 NFT所有者のための共同アートボード「THE BATHROOM」の準備開始
5/1 プレセール終了(500体完売)
5/2 5種類のApeがリリースされ、Apes #5-9 は、ランダムなウォレットにエアドロップされた。
5/3 Waifusion とコラボレーション
5/30 BAYC merch dropを実施。NFTホルダーに、ブラックハット150枚、レッドハット60枚、ロングスリーブ150枚、ショートスリーブ150枚から1つ購入権利が与えられた。(6分で完売)
6/26 BAKCのエアドロップ
7/1 135ETH($291,000)を動物保護団体に寄付
8/7 Merch drop #2ドロップ
(パーカー、Tシャツ、帽子2点(黒と赤))
8/21 The Hundreds とコラボレーション
8/29 4pm ETに全てのBored Apesのスナップショットした場合、5pm ET – Mutant Serumsのエアドロップ(Chainlink VRFでランダムに配布される)
8/30 MAYCに関する情報の公開
10/31 APE FEST YORTH PARTY
11/1~2 APE FESTマーチャントポップアップ
11/6 APE FESTIVAL VIP CHARITY DANNER
10/22 MUTANT APE YACHT CLUBのマーチャンダイズドロップをMAYCホルダー限定で実施。(1000個限定)
ドロップは、期間限定のTシャツ、パーカー、パパキャップ、ポスター、ビーニーで構成。
スケートボードデッキの限定販売。
1,000個で売り切れたら終わり
12/5~11 APES vs MUTANTSのモバイルゲームコンペティション
50位以内に入れば、ブロンズ像、ボンベ、キャプテンハット、カーティスのぬいぐるみなどが当たる
2022年
1/21 モバイルゲーム大会「APES vs MUTANTS」の参加登録締め切り
1/28 「APES vs MUTANTS」終了
3/22 a16zから約550億円を調達したことを発表
3/28 BAYCホルダーとMAYCホルダー限定のマーチャンダイズ。
支払いはApeCoinのみ
4/24 OthersideのDiscordが開設
4/30 Othersid開始
6/20~23 ApeFest ’22開催
10/25 マイアミの芸術と教育活動を支援するために100万ドルを寄付することを発表
12/15 Bug Bounty Programプログラムの公表

商用利用の許可

コミュニティへの価値提供がマーケティングにつながった施策として、商用利用の許可がありました。

これは、NFTホルダーにBAYCの商用利用を許可するというもので、この発表をきっかけに、多くのNFTホルダーが自身のビジネスや新しい制作物(動画など)にBAYCを使い始め、認知度が高まりました。

この施策の有用性については、後述いたします。

ロードマップ

ロードマップ

2023年以降のロードマップとして、上記の画像が展開されています。

ロードマップの見方は、右下のボートに乗った猿が、沼地を進んでいくイメージで見てください。

2023年1月現在の位置は、左上の「The Trail of Jimmy the monkey」であり、この内容が後述するDookey Dashに当たります。

このロードマップからは、様々な展開が用意されていることは伝わりますが、どれも詳細は不明です。

ユーザーの間では、今後この不明瞭なロードマップと、運営が小出しにする情報をもとに、今後の展開を予測するようなコミュニケーションが活発に行われています。

コミュニティ運営

BAYCコミュニティは評議会を構築しており、プロジェクト設立当初から積極的に貢献してきた以下のBoard Apeホルダーに運営が任されています。

  • Josh Ong
  • Sera
  • Laura Rod
  • 0xEthan
  • 0xWave
  • Negi
  • Peter Fang

この評議会は、クラブ全体を代表して新しい視点を運営に提供することを意図して結成されており、具体的に以下の役割を担っています。

  • コミュニティからのフィードバックを運営に伝える
  • 商業プロジェクト、ミートアップ、慈善活動、その他の地域主導のアイデアを盛り上げる
  • BAYC/MAYCコミュニティの自治

BAYCのホルダー層

BAYCのNFTホルダーは、そもそもNFTの価格が高いことから、資金的に裕福な人が多い。

BAYCの他にブルーチップNFTを保有しているホルダーが全体の77%も存在することが、そのことを裏付けています。

NFTGOより

つまるところ、お金に困っている人たちではなく、コミュニティに属していることや、プロジェクトそのものに魅力を感じている人が多いことが推察されます。

では、そのような背景の中、Dookey Dashはどのような展開を迎えているのでしょうか。

Dookey Dashについて

公式ページ

Dookey Dashは下水道を舞台にしたエンドレスランニングゲームです。

2023年1月18日〜2月8日までの期間限定でプレイすることができます。

このゲームをプレイするにはSewer Pass(下水道パス)というNFTが必要で、これはBAYCもしくはMAYCホルダーには無料で配布されました。(2次流通で購入することも可能

Dookey Dashは、プレイ期間終了後に、成績に応じて新しいNFTを召喚できる仕組みになっており、これまでの「お金を払って買う」のとは異なる「スキルベースミント方式」を採用した点が特徴的です。

また、Dookey Dashは独立したゲームではなく、BAYCが展開するストーリーの一部となっているため、Dookey Dashを楽しむためにはDookey Dashに至るまでのストーリーや、その後の展開について理解する必要があります。

ストーリー

Dookey Dash前後のストーリーは、概要レベルで以下の2つの動画にまとめられています。

まず、これまでの経緯〜Dookey Dash後の展開までをまとめた以下の動画をご覧ください。



続いて、Dookey Dash単体のストーリを詳しく表現した以下の動画をご覧ください。



ストーリーの概要を簡単にまとめると、以下のようになります。

DooKey Dashのストーリー概要

・第一回の猿祭りから全てが始まった

・Bored Ape x Mutant Ape Yacht Club Gaming Competitionが開催されたことを皮切りに、ApeCoinの発行や、The Otherside Metaverseの発表といった様々なリリースが行われた

・このような経緯の中、Jimmyの裁判を受けることとなった

—–以下からがDookey Dashのストーリー—-

・Jimmyがトイレをしていたところ、時空連続体が開いてトイレの中から猿の騎士が現れた

・猿の騎士は宝箱と鍵をCurtisに渡して、元の時空に戻っていった

・その後、CurtisとJimmyはパーティを行なったが、パーティの間にJimmyが宝箱の鍵を飲み込んでしまう

・鍵を取り出すためにJimmyはトイレに駆け込むも、腹痛に耐えきれずに気絶。鍵は肛門に刺さった状態。

Curtisたちはトイレに鍵がかかって入れないため、下水道を通ってJimmyの肛門に刺さっている鍵の奪取を目指す。

ゲーム概要

下水道を舞台にしたエンドレスランニングゲームで、ゲームオーバーになるまでにどれだけのスコアを獲得できるかを競います。

スコアは、生存時間、途中で拾ったフラグメントの種類、破壊した障害物など、さまざまな要素で決まります。


進むごとにスピードが上がり、障害物を避けることが難しくなります。

スコア上位50名はリーダーボード表示されます。

リーダーボード

スコアアップの仕組み

基本的には「どれだけ障害物を回避して先に進めるか」のスキルベースのゲームですが、得られるポイントに補正がかかる仕様も存在します。

スコアアップ補正の手段

① Tireの高いチケットでプレイする
② ApeCoinを消費する

Dookey Dashのプレイに必要なSewer Passには4つのTireがあり、Tireが高いほどスコア獲得時に高い補正がつく仕様になっています。

また、2 $APEを消費することで、消費してから10分間、15%アップの補正がかかるブースター「Powershart Pack」を購入することもできます。

Sewer Pass ApeCoinブーストなし ApeCoinブーストあり
Tire 4 30% 45%
Tire 3 20% 35%
Tire 2 10% 25%
Tire 1 0% 15%
ApeCoinブースト有りと無しの場合のTireごとのスコア補正値

エアドロップされたSewer PassのTireは、所持しているNFTによって決定されました。

所持しているNFT Sewer Pass 最低フロア価格
BAYC + BAKC Tire 4 7.195 ETH
BAYC Tire 3 4.29 ETH
MAYC + BAKC Tire 2 3.35 ETH
MAYC Tire 1 2.73 ETH
※2023年1月24日時点


特典と今後の展開

ハイスコアを出したユーザーは、鍵を取得することができます。

また、鍵とは別に、ゲーム期間終了時までに1ポイントでも獲得したユーザーは全員、ゲーム期間終了後にSewer Passから「バッテリー」を召喚できるようになります。

「バッテリー」にも特性があり、その特性はDookey Dash期間中に獲得した最高スコアによって決定されます。

最もスコアが高かったユーザーは「究極のバッテリー」を召喚できるようになります。

このバッテリーは、次のミニゲームの参加に必要なアイテムとなります(下図)。

今回のバッテリー召喚がEVO1に相当するため、後2回、ミニゲームプレイとバッテリーを召喚する機会があります。

電源のロードマップ

ユーザーの反応

ゲーム公開を皮切りに、多くのユーザーがプレイ動画をtwitterやyoutubeで上げており、熱気の高さが窺えます。

プレイが短時間で終わるのも好評価で、何度も挑戦したくなる、非常に中毒性のあるゲームだと評されています。

一方で、ゲームそのものは面白いものの、参加するためのSewer Passが最低価格で2.59ETH(55万円)もするため、そこまでしてゲームに参加しようとすることが理解できないという意見もありますが、

Dookey Dashによる経済的効果

NFTGOより

NFTGOのデータを参考にすると、執筆時点(2023年1月24日)のSewer Passの総取引量は27,180EHTであり、運営の収益となるロイヤリティ(2%)は約1.2億円にも登りました。

また、高得点を狙う人はApeCoinを消費する設計になっているため、ApeCoinの価格はDookey Dashのリリース後に650円→750円と15%値上がりしました。

なぜDookey Dashは経済圏に対してプラスに働いたのか

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