
- どうすればNFTセールで完売させられるだろうか?
- すぐにNFTを売らずにちゃんとプロダクトを使ってくれるかな?
- 悪評が立って、一気にNFTが売りに出されて、経済圏が崩壊したりしないだろうか?
このような悩みは、Web3プロジェクトにつきものです。
実際、2021年はWeb3ゲームが大きな話題になりNFTも飛ぶように売れましたが、現在は状況が変わりました。

これらの問題はプロジェクトにとって大きな脅威であり、単発の施策では対応できません。
プロジェクト全体を俯瞰し、想定される状況に対していつ、誰が、どこで、どのような施策を打つかといった全体設計が必要です。(LGGでは、これを「幹線道路の土台設計」と呼んでいます。)
本記事では、全体設計の例を紹介しながら、作成に必要な考え方を詳しくお伝えします。
この記事の目次
幹線道路の土台設計とは

幹線道路の土台設計とは、「特定のイベントに向けたマーケティング全体像の設計」を意味します。(LGGが独自で用いている用語です)
例えば、NFTセールに向けた設計であれば
- Twitterの開設から始まり
- Discord開設
- ホワイトペーパーの公開
- オフィシャルサイトの公開
- AMAの開催
- KOLからのGiveawayキャンペーンなど様々な施策を
- いつ、誰が、どこで、何を、どのような目的で、どうやって実施するか
を設計します。
幹線道路の土台設計は、AMAやGiveawayなどの認知獲得施策の効果を最大限に高め、さらにプロジェクト初期における経済圏の安定化に大きく寄与するため、マーケティングの早い段階で設計します。
以下に、幹線道路の土台設計が必要な詳しい理由と、設計する上での考え方を実例を交えて解説いたします。
なぜ設計図が重要なのか

① 初期イベントへの集客を最大化するため
1つ目の理由は、NFTセールやプロダクトリリースといった初期イベントへの集客を最大化するためです。
Web3プロジェクトは投資の要素が含まれるため、ユーザーは投資判断ができるだけの情報を欲します。
- プロジェクトの思想や運営体制
- NFTの価格やユーティリティ
- プロジェクトのロードマップ
- Giveawayをはじめとした各イベントのスケジュール
これらのような情報が正しく理解できているほど、ユーザーは興味を持ち、NFTセールやプロダクトリリースが盛り上がります。
そのため、情報が漏れなく正しく伝わるために、いつ、どこで、だれが、どのように発信するかといった計画が必要なのです。
② NFTを短期で売り抜けされないようにするため
2つ目の理由は、ユーザーがプロジェクトの情報を正しく理解できていないために、早い段階でNFTが売却されてしまうことを防ぐためです。
短期的なNFTの大量売却による経済圏の崩壊を防ぐには、「NFTを持ち続けておいた方が得だ」と思わせるようなサービス設計やイベントスケジュールが必要ですが、設計ができていてもユーザーがそれを理解できなければ意味がありません。
実際、ホワイトペーパーだけでプロジェクトを正しく理解することは困難であり、多くのユーザーはプロジェクトを正しく理解しないまま利用しています。
そのため、ユーザーの理解を促すためのコンテンツや施策、ユーザー導線を描いた全体設計が必要なのです。
③ FUDの発生を防ぐため
3つ目の理由は、FUD(不安・疑念・不信)の発生を防ぐことで、NFTやトークンの価格を暴落させないようにするためです。
そもそもFUDは、情報が断片的に伝わることで、NFTやトークンのユーティリティや保有価値が正しく認識されず、一時的なトークンの値動きやニュースにユーザーが敏感に反応することによって起きるものです。
これは株式市場と同じで、運営の経営体質やプロジェクトのロードマップ等をユーザーが理解できていればある程度防ぐことができるため、②と同様にユーザーが正しく理解できるような全体設計が必要になります。
幹線道路の土台設計に向けた準備
幹線道路を設計するにあたり、必要な情報を整理します。
幹線道路設計の準備
①ターゲットを設定する
②ターゲットのイメージ・ゴール・アプローチ方法を明確にする
③カスタマージャーニーを設計する
① ターゲットを設定する
幹線道路の設計は、ターゲットユーザー層を明確化することから始まります。
例えばWeb3ゲームの場合、大まかに9つの層に分かれます。

ターゲットはプロジェクトの性質やフェーズによって変化します。
例えば、初期段階では運営資金を調達するために、一定数のインベスターをターゲットに含めることが必要かもしれません。
一方で、長期的な成功を考えると、ゲームプレイヤーを増やしていくことも必要です。
フェーズに応じて、ターゲットユーザー層を柔軟に変化させることを前提に、プロジェクトに適した複数の層を選定します。
② ターゲットのイメージ・ゴール・アプローチ方法を明確化する
ターゲットが決まったら、以下のような表を作成し、各ターゲットの詳細やゴールイメージなどを明確化します。

この層のゴールイメージ | ターゲットを最終的にどのような状態に持っていくか |
ペルソナ | ターゲット層を各種条件で絞ってより明確にしたもの |
ニーズ | ターゲットが求めているもの |
懸念点 | ターゲットにアプローチする上で考えられる懸念点 |
アプローチ方法 | ターゲットへのアプローチ方法 |
訴求ポイント | ターゲットに刺さると思われる訴求ポイント |
そして、この表を作成するタイミングで、ターゲットをどの順で獲得していくのかも考えます。
- ゲーム愛好家兼大口投資家が出資して話題になることでゲーム愛好家がプレイし始める
- ゲーム愛好家の間で噂が広まることで、新しくギャンブラーの耳に届く
といったように、ユーザー獲得のストーリーをイメージするのです。
③ カスタマージャーニーを設計する
前項で明確にしたターゲットイメージと獲得ストーリーをもとに、カスタマージャーニーを設計します。

一般的なカスタマージャーニーの作成法については本記事では控えますが、目的は
- メインイベント(テスト版リリース、NFTセール、IEO、オフィシャル版リリース)を盛り上げるために
- どのような情報を
- いつ
- どのタッチポイントで伝えるか
を設計することにあります。
Web3ユーザーは、スケジュールやロードマップに敏感です。
然るべきタイミングで十分な情報が公開されていなければ、投資判断をしてもらえないどころか、悪評が立つ危険性すらあります。
プロダクトリリースやIEOのタイミングにはどうしても運営側の都合が絡みますが、ここでは徹底してユーザー側の視点に立ち
- ユーザーの興味を失ってしまうほどスケジュールが間延びしていないか
- NFTセール前に投資判断ができるだけの情報を提示できているか
- SNSやGoogle検索など、ユーザーがアクセスしうる箇所にタッチポイントを設定できているか
などの視点から、プロジェクトを俯瞰しましょう。
幹線道路の土台設計の具体例と考え方
ここから、具体的な幹線道路の土台設計に移ります。
幹線道路の土台はプロジェクトによって様々ですが、今回は以下のことを実現したいという条件のもと設定されたWeb3ゲームプロジェクトを例に解説いたします。
実現したい条件
・国内外の取引所へのIEO
・海外IEOの前にTwitterのフォロワー数を一定数まで増やす
・オフィシャル版を海外IEOより前にリリースする
・公式アンバサダーを起用したい
