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「Sorare」スポーツNFTの成功の軌跡と今後の展望

「Sorare」スポーツNFTの成功の軌跡と今後の展望

Sorareは2018年から始まるファンタジースポーツ(※)の一種で、Web3ゲームの中では比較的歴史のあるゲームタイトルです。

今では世界300以上のクラブ・リーグとライセンス提携する規模にまでなっています(2022年9月時点)。

Sorareはトークノミクスという概念がまだない頃のプロダクトであり、独自トークンも発行されていません(ETHを利用)。

Sorareは独自トークンも、複雑なゲームシステムも持ち合わせていませんが、サッカークラブとの地道な提携活動がそのまま宣伝活動に繋がり、プロジェクト成長の下地になっています。

この地道な提携の積み重ねがSorareへの信頼感醸成に繋がり、さらなる提携とユーザー獲得に結び付いているという好循環を生み出しています。

また、サッカーだけでなく、他スポーツや選手とも提携するなど、ユーザーの関心を引く施策が非常に巧みです。

Sorareのシンプルなゲーム設計とマーケティングは、ゲーム開発者にとっても参考にすべき点が多いものです。

また、本レポートの末尾には、ファンタジースポーツを開発する際の法律的な注意点も記載しましたので参考にしていただけると幸いです。

開発者視点での学びPOINT

シンプルなゲーム設計・トークノミクスのメリット(高収益性や複雑な経済圏ばかりがWeb3ゲームの解ではない)
・クラブとの提携がそのまま宣伝になる、マーケティングの”巧さ”
・ファンタジースポーツの法律面での注意点

ユーザー視点での学びPOINT

独自トークンもMintもないシンプルな設計であるため、一攫千金は狙いにくい(裏を返せば、トークンの急激な価格変化が起こりにくく、安定的な運用が出来ており、順調に成長している
・ETHという2番目に時価総額の大きいトークンを使うことによる安定性

※ファンタジースポーツ・・・好きな選手を集めたオリジナルチームを作るシミュレーションゲーム。実際の試合での選手の成績をポイント化しその合計数を競う。

プロジェクト概要

ゲームの全体像

Sorareは現実のサッカーの試合と連動したトレーディングカードゲームです。

イタリア/セリエA、ドイツ/ブンデスリーガ、日本/Jリーグなど、全世界300以上のリーグ・クラブと提携し、そこに所属する選手がNFT化されています(2022年9月時点)。

ユーザーは指針が保有する選手NFTカードから5枚(GK、DF、MF、FW、EX各1枚ずつ)選んでチームを編成します。

編成した選手が実際の試合で活躍すればするほど、得られるポイントも多くなり、そのポイントの総数を競います。

逆に、選んだ選手の活躍度合いが低かったり、ペナルティやミスがあるとポイントは減点されるなど、どのようにチーム編成するかの戦略も必要になってきます。

報酬はリーグやディビジョンによっても異なりますが、リーグの上位ユーザーに、ETHや選手NFTカードが配布されます。

ユーザーは、実際の試合で自分の贔屓にしているチームを応援しながら、Sorareで自分がチームに選んだ選手の活躍も応援しつつ楽しめる、という二重の楽しみをすることができます。

また、Sorareゲーム内には、U23の選手のみ参加できるリーグや、アジアクラブの選手のみ参加できるリーグなど、非常に多くの選択肢があり、どのリーグに参加するか、という楽しみ方もあります。

実際のゲーム画面

プレイヤーは、メールアドレスのみで登録・ログインが可能です。

初めてログインすると、Commonカードが5枚付与され、無料でゲームを開始することができます。

まずは、多様に存在するリーグからどのリーグに参戦するかを決めます(下図参照)。

Sorareの多様なリーグ(一部抜粋)

リーグを選択したら、GK、DF、MF、FW、EXの各ポジションに1枚ずつ自分の保有する選手NFTを配置し、チーム登録を行います。(EXはボーナス枠で、どのポジションの選手も登録が可能です。)

チーム登録が終わったらこれ以上の操作は必要なく、登録した選手の実際の試合での活躍度に応じてポイントが付与されます。出場がなければ活躍ポイントはもらえません。

このリーグ戦は4日間行われ、4日経つとリセットされて新たなリーグ戦が始まり、これを1年間繰り返していきます。

ユーザー登録からチーム編成まで10分程度で完了し、ここまでウォレット等も不要なため「クリプト感」を感じさせず、ユーザーにとってはプレイを気軽に始められるゲームと言えます。

NFTカードの概要

SorareのNFTカードには5種類のランクが設けられています(下表参照)。

レア度が高いカードほど、活躍ポイントにボーナスがつく仕組みで、多くのポイントを得るためにも、レアなカードを手に入れたい、というユーザー心理を刺激する仕様になっています。

選手NFTの獲得方法は以下の4パターンあります。

1.公式サイトでの購入

2.NFTマーケットプレイスでの購入

3.リーグ戦上位入賞に対する報酬

4.友人の招待

選手NFTは、経験値を積み上げることで、レベル上げをすることができます。

選手NFTの相場観とは

選手の人気や活躍によっても価格が大きく変動する選手NFTカードですが、マーケットでは概ね以下の価格帯で売買されています。

各リーグ戦の参加要件にも、所持しているNFTのレア度は大きく関わり、そのため報酬額も異なります。

例えば、最も高いUniqueカードのみが参加できるリーグの1位報酬額は$4,500(約64万円)に設定されています。
(8/30-9/2開催の第301週の例)

一方、Limitedで参加できるリーグの場合でも、トップ3に入れば$200~$300程度の報酬を得られます。(同じく第301週の例)

また、トップ3に入らなくとも一定順位以上に食い込めばNFTが報酬としてもらえるため、その売買を通して収益化することも可能です。

↑公式マーケットに並ぶクリスティアーノ・ロナウド選手のNFT

Sorareの資金調達の軌跡

Sorareは、シード期の2020年7月に400万ドルに及ぶ資金調達を皮切りに次々と大型の資金調達を実現させてきました。

シリーズAでは、Benchmarkから5,000万ドルの資金調達を成功させ、そしてシリーズBでは過去最大規模となる6億8,000万ドルもの資金調達をソフトバンクビジョンファンドから行っています。

調達した資金は、新規雇用やゲームの新期開発、マーケティング施策に使われます。

さらには、サッカーを通した若者への支援や、スポーツやゲーム分野の起業家への支援、さらには女性スポーツへの支援も打ち出しています。

今後は、テニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズの顧問就任やアメリカMLB(大リーグ)との提携に見られるように、豊富な資金力を活かし、他のスポーツへの展開も見据えています。

Sorareの軌跡概略(2022年7月まで)

ユーザーの収益ポイント

1.ゲーム報酬を通した収益化
リーグ戦でポイントを稼ぎ、そのポイント数で上位になることで、ETHを報酬として稼ぐ方法です。

また、「グローバルオールスターDiv40」という、ランキング戦ではなく一定ポイント以上得るとETHが得られるなど、比較的初心者でも稼ぎやすいリーグも用意されています。

2.保有するNFTカードの売買益を通した収益化
自分が保有する選手NFTカードを公式売買し、値上がり益を得る方法です。

レア度が高いNFTカードはもちろん、スタメン定着度が高い、ゴール/アシスト数が多い、ペナルティが少ない、といった選手は需要が高く、高値での売却が期待できます。

トークノミクス分析

SorareはWeb3ゲームの中では比較的初期に登場したタイトルで、1種類のトークンとNFT機能を持たせただけのシンプルなモデルです。

また、トークンもETHを利用しており、独自トークンを発行しているわけではありません。

そのため、エコシステムとしての着眼点も「NFTカードがいくらで取引されているか」「NFTの需要と供給のバランスが取れているか」のシンプルなものになっています。

エコシステムは、時代とともに進化と改良を繰り返し、デュアルトークン制、デュアルトークン+Mint制、など複雑なモデルが続々と登場してきました。

しかし、必ずしも複雑なモデルがいいというわけではありません

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