【TON参入事業者必見】大規模インセンティブプログラム「The Open League」徹底解説

【TON参入事業者必見】大規模インセンティブプログラム「The Open League」徹底解説

本記事は、Web3に関心を持つ事業者を主な対象読者とし、TONについて包括的な解説を提供することを目的としています。前回の記事ではTONブロックチェーンの全体像について解説しましたが、本記事ではここ数ヶ月のTON爆発の起爆剤とも言える「The Open League」に絞って解説します。

TONの躍進はMini Appの存在も大きかったのですが、オンチェーンデータを確認すると今回ご紹介する「The Open League」の存在も欠かせないと感じました。まずはそもそものインセンティブプログラムの概要、そしてユーザー目線での参加方法を説明しますが、最後は事業者目線での実際の参加方法や参加意義についても言及します。

ぜひ最後までご覧ください。

The Open Leagueとは?

「The Open League(以下、TOL)」は、TONブロックチェーンにおける大規模インセンティブプログラムです。TON上のアプリケーションを利用するユーザーと開発者に対して報酬を用意し、TONのTVLやアクティブユーザーを上昇させる取り組みです。

具体的には2024年の12ヶ月間で「10億ドルのTVL」と「5億のアクティブウォレット」を目指しています。

開始のきっかけは2023年11月16日にドバイで開催されたGateway conferenceで、TON FoundationディレクターのJack Boothが提案した内容になります。以下、プレゼンテーションとなります。

https://www.youtube.com/watch?v=FCX5uGvPiq4

その後すぐの11月20日、TON Foundationは投票にかけ、99%の賛成によって可決されました。

https://ton.vote/EQCb8dxevgHhBnsTodJKXaCrafplHzAHf1V2Adj0GVlhA5xI/proposal/EQA5eyWDAAegbL5Ay1CfelGG3yY9Ow7bgpfocTV6KDt9zeIl

そして、2024年1月30日からパイロットシーズンがスタートしました。現在はシーズン6が開催中ですが、それぞれのシーズンの内容と結果に関して後ほど解説します。

まずはこのTOLがTONにどれほどのインパクトを与えているのかをオンチェーンデータを用いて説明させてください。

まずActive Wallets数を見てみても、明らかに2024年1月から急増していることがわかります。

https://www.tonstat.com/

DeFiのTVLを見てもそれは明白です。3月頃を起点に一気に伸びています。

https://defillama.com/chain/TON

Toncoinの価格を見ても2024年1月以降に急速に上昇しています。

https://coinmarketcap.com/currencies/toncoin/

最後は総アカウント数とトランザクション数です。これまでと比較して一気に伸び始めていることがわかります。

https://www.tonstat.com/

ここ数ヶ月、TONが躍進していることはご存知の方が多いと思います。そして、その背景にはMini Appの躍進があったという認識を持っている方が多いと思います。

もちろんそれは間違いではありませんが、急速にMini Appが発展してきた背景にはTONのインセンティブプログラム「TOL」があったことは間違いありません。TOLは新規ユーザーを誘致し、開発者にグラントを配布し、DeFiのTVLを高めました。

TONのDeFiはそこまで注目されていないかもしれませんが、DeFiはエコシステムの血液的な存在です。

例えば、今回のTON Mini Appのブームの火付け役となったと言われるのはNotcoinのトークンの高騰ですが、そもそもトークンに価値が付かなければWeb3領域でブームになることはありません。そして、その高額なエアドロップを夢見てユーザーが集まるので、Mini Appブームのサイクルの中心には”エアドロップされるトークンに価値がつく(可能性があること)”が存在します。

細かい説明は省きますが、トークンに価値がつくには、そのプロジェクトへの期待値や実用性はもちろん大切ですが、それ以前にそもそも取引できる流動性が担保されている必要性があります。流動性とはモノに価値がつく際に最も大切な概念で、取引が容易にできる状況でなければユーザーはもちろん、トレーダーや投資家もそのトークンを購入することができません。そのため、トークンば自由に流動性高く売買できるようにTONのDeFi市場でDEXやLending Protocolなどが一定の規模感まで育っている必要があるというわけです。

トークンに価値が付かなければMini Appをやるインセンティブが減り、ユーザーも集まりません。なので、ユーザー及び開発者の誘致とDeFiの盛り上げを一気にやる必要があります。

このサイクルがあるからこそ、より優秀な開発者がMini App構築に参入し、そこに釣られたユーザーがやってくるというサイクルが回っています。

https://blog.ton.org/april-1st-the-open-league-season-1-115-million-in-toncoin-community-rewards

ここを担っているのがTOLで、これまでのところ、大成功を収めていると言えます。

これまでの開催回数と結果

続いて、TOLのこれまでの開催結果を見ていきたいと思いますが、その前にTOLのより具体的な内容について説明します。どのような形式で何が誰に配布されるのか、といったインセンティブプログラムの概要ですね。

シーズン毎に若干の条件のマイナーチェンジはあるのですが、基本的な内容は同じですので、説明します。

TOLのフォーマット

①SBTを取得

大前提に「Botではなく本物の人間にインセンティブを配布する」という思想があります。Web3市場ではエアドロップを貰うために投機的な目的でBotがトレードしたりクエストをクリアすることが横行しています。TONのネイティブWalletはTelegram IDに紐づいており、Telegramは電話番号から作成するため1人が複数アカウントを作成することが困難です。そのため、TOLでは各シーズン毎にSBTを配布しています。このSBTを取得しなければ報酬配布の対象になりません。

元々、TONには「TON Society」という活動が存在し、ここはイベント参加でSBT(POAPのようなバッジNFT)を配布するなど、催しの際にSBTを配布するポータルサイトが存在します。ここのOpen Leagueタブをクリックすると、現在開催中のシーズンにおけるSBTを取得できます。以下はシーズン6のSBTとなります。

https://society.ton.org/activities/open-league

取得方法は簡単で、まず「TON Society ID」を作成します。これはMini Appとなっているので友達に追加し、Startをクリックします。「Create Profile」という画面になりますが、ここで自身のウォレットと紐付けます。筆者はTONのネイティブウォレットを紐付けました。

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