本記事は、TONのDeFi領域を深掘りする記事となります。最近のTONの躍進はゲーム領域(Mini App)が目立ちますが、DeFiも変わらずに伸び続けていますし、ブロックチェーンのエコシステムにおいて必須の領域となります。
ぜひ最後までご覧ください。
ブロックチェーンエコシステムにおいてDeFiが重要な理由
まず、そもそもの前提としてなぜブロックチェーンのエコシステムにおいてDeFiが重要なのかを解説します。TONはTelegramと密接に絡み合っていることでかなり特殊なエコシステムを構築していますが、Web3目線で考えると、やはりエコシステムにDeFiは必須です。
その理由をものすごく簡単に言えば、以下の通りになります。
なぜDeFiが盛り上がるとトークン価格が上がるのかについてですが、まずは論より証拠ということで、DeFiのTVLとトークン価格の関連性についてご覧ください。TVLというのはTotal Value Lockedの略称で、日本語訳すると預かり資産額となり、DeFiを評価する最重要指標として利用されます。イメージしやすいのは銀行の預金残高やETFの運用残高です。その指標を見れば各銀行やETFの優劣がわかりやすいですよね。DeFiにおいてはTVLが重要指標となります。
TVLの判断には、DeFiプロトコルのTVLなどの指標が掲載されているDefillamaと呼ばれるプラットフォームを利用します。以下、青線がTVLで赤線がトークン価格を意味しています。
かなり綺麗にリンクしていることが見て取れると思います。ではなぜ、DeFiのTVL増加とトークン価格が連動するのでしょうか。そこには大きく2つの理由が存在します。
- 需要と供給のダイナミクス
- DeFiサービスを利用するには、多くの場合チェーンのネイティブトークンが必要となり、需要が増加。
- 同時に、多くのトークンがDeFiプロトコルにロックされることで、流通量が減少し、希少性が高まる。
- ロックされる=TVLの増加は、そのチェーン上のDeFiプロトコルの人気と利用度の上昇を意味する。
- この需要の増加と供給の制限が、トークン価格の上昇圧力となる。
- ネットワーク効果とエコシステムの成長
- TVLの増加は、そのチェーンの信頼性、安定性、そして将来性を示す指標として認識される。
- これにより、より多くの開発者とユーザーをエコシステムに引き付ける。
- 増加した開発活動は新しいDeFiプロジェクトや機能をもたらし、さらなるユーザー採用を促進。
- この正のフィードバックループが形成され、エコシステム全体の価値とトークン価格の上昇につながる。
TONの場合は、Telegramのユーザー基盤にアクセスできたため、いきなりゲームがヒットしたという背景もありますが、そこでエアドロップされたトークンにきちんと価値がつくにはやはり基盤となるDeFiエコシステムの構築が必須です。
かなり色々な要素を省いて簡易的に説明していますが、まずブロックチェーンのエコシステムにおいてDeFiの盛り上がりが必須であることが少しでも伝われば幸いです。トークン価格が上昇していないエコシステムはユーザーも開発者も誘致できないので、いくら面白いゲームを作ったところで意味がありません。
TONでゲームをリリースしようとしている事業者も、DeFiとトークン価格の細かいロジックの理解まではいかなくても、せめてTONのDeFiが現状どうなっているのか、主要プロトコルがどこがあるのか、最低限そこまでは押さえておいて損はないかと思いますので、本記事ではそこを解説します。
TONのDeFiエコシステム
では、TONのDeFiエコシステムを見ていきます。
まずは改めてTONのTVLの遷移となります。盛り上がり始めたのは2024年3月頃で、ここは明らかに前回解説したTOL(The Open League)の開催期間と被るので、TOLによるインセンティブ強化に伴い、TVLが伸びたと言えます。
ちなみにこのTVLを全てのチェーンの中で比較してみると、TONのTVLは現在18位で、急速に伸びてはいるものの、まだまだ主要L1チェーンには及んでおらず、今後の伸び代が多く秘められています。
では続いて、TONの中でTVLの高い主要プロトコル上位10選を見ていきます。
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